第 5 回 SPERC イオン液体講演会

   第 5 回 SPERC イオン液体講演会
この度、岩手大学理工学部附属ソフトパス理工学部研究センター(SPERC)では、株式社UACJ布村順司 先生をお迎えして講演会を開催します。電気化学をご専門とされる布村先生は、長年、イオン液体および溶融塩技術を基盤としたアルミニウムの電解技術および新型製・
精錬プロセスのご研究に従事されて、目覚ましい研究成果を上げてこられました。

 今回、布村先生の多方面に展開されているご研究の一端をご講演いただく予定です。エネルギー科学等の分野に関心をお持ちの教職員、学部学生、大学院生をはじめ、本学関係者以外のどなたでも参加できます。お誘い合わせの上、是非ともご参加下さい。
なお、本講演会は第 45 回INS エネルギー変換技術研究会講演会および第 9 回岩手大学電気化学セミナーとの共催事業になります。

                          記

主 催: 岩手大学理工学部附属ソフトパス理工学研究センター(SPERC)
    水素利用技術研究グループ イオン液体サブグループ

共 催: INS エネルギー変換技術研究会

協 賛: 日本化学会東北支部, 電気化学会東北支部

日 時: 令和 7(2025)年 1 月 22 日(水) 15 : 00~16 : 00

場 所: 理工学部 5 号館(C13) 南棟 2 階 200 号室

講演者: 布村 順司 博士(工学)
株式会社UACJ マーケティング・技術本部 R&D センター
(会社 HP: https://www.uacj.co.jp

「アルミニウムのリサイクルにおける現状と課題」

アルミニウムは多くの優れた特性をもつ金属材料である一方、大量の電力を消費する製錬方法をとることから、電気代の高い日本では製錬業の撤退を余儀なくされ、新地金の 100%を輸入に依存している。
一方、アルミニウムは鉄などの金属材料に比べて融点が低いため、使用済みのアルミニウムは製錬の3%程度の低エネルギーで容易に再溶解され、再生地金としてリサイクルされる。そのため、製錬を行えない日本では、さらなるリサイクルの促進が求められるが、大半のスクラップは純度と品質の低下を伴うカスケードリサイクルが行われている。近年、自動車の軽量化などの目的で、高品質なアルミニウム材の需要増加が予測されている中、不純物を多く含む低品質なアルミニウムスクラップから、さらなるリサイクルが可能となれば、資源の有効活用や環境負荷の低減となる。講演当日は、アルミニウムのリサイクルに関する現状と課題を解説すると共に、低品質なアルミニウムスクラップのリサイクルを目的とした、溶融塩・イオン液体を用いた電解精製技術に関する研究開発の一端を紹介する。本講演の成果の一部は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発事業(NEDO)の委託事業の結果得られたものである。

Key words: 溶融塩, イオン液体, アルミニウム, 精錬, リサイクル